ローレル・キャニオン見てきたよ [シネマ]
最初は「スージーQ」見に行こうと思ってた
自分が高2のときの初体験(初めてのライブ・コンサート)が彼女だったので
でも諸般の事情により「ローレル・キャニオン」を見に行くことにしました
自分はかれこれロック歴40数年、英米ロックの歴史はほぼほぼ身体にインプットされていると思ってたけど、「ローレル・キャニオン」というワード(地名ですが)を聞いたのは、今回が初めて
なんでこんな重要なキーワードを日本の音楽ジャーナリストはこれまで語ってこなかったのか?
ジョージの「ブルー・ジェイ・ウェイ」ってローレル・キャニオンにある通りの名前なんて、日本の音楽ジャーナリストの誰か過去に一言でも発したことがあるのか?(これは映画の後の健太・能地夫婦のトーク・ショーで教えていただきました)
前から薄々思ってはいたけれど、つくづく自分は若い頃にロキ◯ン、し◯や編集長に洗脳されていたんだなぁ、と(もっとも当時の日本では他のメディア、ジャーナリストも五十歩百歩だったんでしょうけど)
それはさておき
この歴史の中心に位置するザ・バーズにしろCSN&Yにしろ、もちろんメンバーの音楽的才能に非の打ちどころはないけれど、ただただピュアに音楽を追求していたというわけでもなく、結構みなさん(RマッギンとかSスティルスとかGフライとか)山っ気マンマンだったんだ
だからこそ商業的にも成功できたわけではあるけれどね
そんな中で、唯一若い頃から純粋に音楽(芸術)を追求していたジョニ・ミッチェルの存在が、やはりこの映画でも神々しかった
同じ理想を求める人が自然に集まり、それぞれの才能がクロスして文化が花開き、しかしそれぞれの成長につれて当初一つに見えた「理想」は個に収斂してバラバラになっていき、残った「文化」だけが商業主義に飲み込まれていく、という、普遍的かつ教訓的なドキュメンタリーでした
タグ:萩原健太
アメリカン・ユートピア見たよ [シネマ]
ようやく見てきました
前評判どおり、演出、パフォーマンス、曲、演奏、メッセージ、すべてにおいて素晴らしかった
かなり直接的な政治的メッセージ&政治的メッセージが込められた曲があったのはちょっと意外だったけれど、今の時代はそれくらいしないと(特にアメリカでは)伝わらないってこともあるのかもしれないね
日本人にとっては、こうして字幕付きで曲を聴くと、彼の曲ってすべて人間と人間の関係性や人間と社会の関係性を描いてることにあらためて気づかされる
一生に一度だけ、じゃなく、何度も見たいパフォーマンスでした
今は無理だけれど、日本でもやってくれないですかね
シン・エヴァ見たよ [シネマ]
これまでの3作で一番好きな場面が、綾波レイに感情が芽生えて、お味噌汁作る練習して、碇親子を招待してお食事会を開こうとするところ
シン・エヴァで何より好きな場面も、ジブリ(トトロ?)っぽい日常で綾波レイ(仮)に再び感情が芽生えて、近所のおばちゃんたちと田植えして、委員長の赤ちゃんをあやすところ
やっぱ自分にとってエヴァの中心は綾波なのか…
TVシリーズを大事にしたい派としては、最後シンジとくっついているのはアスカであってほしかったかも
エンディングで流れる宇多田ヒカルのBeautiful World、心地よい余韻にひたれました
はやくこいこいGET BACK〜 [ロック!!]
新型コロナの影響で1年上映が延びてしまった「THE BEATLES:GET BACK」
今年の8月27日に全世界同時公開決定、今年の夏はオリンピックよりこっちが待ち遠しい、かな
昨年末に公開されたこの映画の特別映像見ると、確かにリンゴが言ってるようにみんな楽しそうに笑ってセッションしてるシーンばかり
これ見たときはやっぱりちょっと衝撃を受けた
だってこのセッションに対するイメージは、あの映画「LET IT BE」に写ってるみんながピリピリしてて、時には険悪なムードになって、何より倦怠感が全体的に漂ってて、こりゃどうしたって解散が必然、という、あのイメージしかなかったら
もちろんLET IT BEの険悪なムード、ピリピリ感、漂っていた倦怠感も、確かに事実を写していたんだと思う
ただ、それがすべてじゃなく、この特別映像で見られる和気藹々としてる4人がいたのも、また事実なんだと思う
黒澤明の「羅生門」のごとく、どういう意図で映像を切り取るかによって事実が180度違って見える、そのことを改めて感じさせられたり
などといろいろ語っても、まだ見てませんから「GET BACK」、早く見たい!!!
タグ:BEATLES
フィル・スペクターさん死去 [ロック!!]
一報見て、あれ、まだ生きてたんだっけ、というのが率直な感想でした
殺人罪で逮捕されて収監されたのはだいぶ前にニュースで見た記憶があるけれど、結局収監中に新型コロナウィルスによる合併症で亡くなったとは、ポピュラー・ミュージック界に与えた影響の偉大さを思うとあまりにも哀れな幕切れ… ただ、ネットで晩年の写真がいろいろ出ているけれど、それ見るともう本人はあっち側に行ってしまったかのような顔つきで、本人は自分の人生をそんなに不幸とは思わずに逝った、のかもしれないよね
で、彼をBEATLESファンの視点で見ると、そりゃあめちゃくちゃ功罪あるプロデューサーですよね
罪はもちろん「LET IT BE」(頼んだ方が悪いのでフィルに罪はないが)とジョンの「ROCK'N'ROLL」
功はジョンの「ジョンたま」「IMAGINE」
ジョージの「ALL THINGS〜」だけはちょっと評価が難しい ジョージが集めたバックミュージシャンの顔ぶれを見るとこのアルバムの本来の音はこれじゃないだろう(プロデューサーがトム・ダウドだったら…)、と思わなくもないけれど、フィルの奥行き感のあるモコモコっとした音像はこれはこれでジョージらしさが引き出されてるとも思えなくもない
ノムさんがよく使う「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上」の格言から、彼の影響を多大に受けたブライアン・ウィルソンや大瀧詠一等々、そしてさらにブライアンや大瀧詠一に影響を受けた音楽家は世界中(日本中)に星の数ほどいることを思えば、数々の奇行はあれど、そして最終的に殺人犯ではあれど、それでも音楽家としのてフィル・スペクターは特上の評価でいいでしょう
そしてフィルの最高傑作といえば、やっぱりね
タグ:BEATLES