なつやすみのどくしょかんそうぶん・・・の巻 [文学]
4月に出たときに買っていたけれど、厚さにビビってしばらく寝かしておいてました
フとしたきっかけでこないだ読み始めたら、一気に読み終えることができました
とってもとっても重かったけれど(本の重量が、じゃなくって、この小説の主人公がおかれている状況設定が)、めくるめく展開にのみこまれて、気付いたときにはあっという間に最後のページになってました
ジャンル的には、近未来を描いたSFだと思います
そして、次から次へとストーリーが展開するたびに主人公の状況がどんどん悪化していく内容は、安部公房が描く不条理な世界観にも通じているし、また、スティーブン・キングの長編小説の読後感にもどこか似てるような気もしました
それでもやっぱり、このお話は「純文学」だと思いました
なぜなら人間という存在の根源を描いていると思ったからです
昨今の世界情勢を思うと、この小説が描く世界がまったくのフィクションとは思えなくなっているところが、いちばん怖かったです
タグ:村上春樹
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